危険運転問題
我が国における自動車運転免許制度は、国民の生命と財産を守るため、厳格な基準と深い社会的合意に基づき長年にわたり築き上げられてまいりました。運転技術と交通法規に対する的確な理解を前提とするこの制度は、日本社会の安全と秩序の根幹を支えるものであり、世界にも誇るべき社会基盤であります。
しかしながら近年、この制度の隙を突く形で「外国免許切替制度」が悪用され、我が国の道路秩序と国民生活に重大な危機をもたらしております。
本来、外国免許切替制度とは、外国で有効な運転免許証を取得し、その後3か月以上当該国または地域に滞在した実績を有する者に対し、日本の運転免許証への切替を認める制度であります。手続きに際しては、外国免許証の原本および日本語翻訳文の提出、本人確認書類の提示、視力検査等の適性検査、さらに交通知識に関する簡易な試験が求められております。
しかし現実には、知識確認試験はわずか10問の○×問題にすぎず、7問以上正解すれば合格できるという極めて緩やかな基準となっております。出題される内容も、信号機の意味や標識の読み取りといった初歩的なものに限られ、実際の日本の交通環境に即した高度な知識や危険予測能力を問う設問はほとんど存在しません。さらに、日本語を理解できない者に対しても、英語、中国語、ポルトガル語など各種言語版が提供されており、交通標識や指示標示の意味を十分に理解できない者であっても、形式的な試験に合格し免許を取得できる実態が存在してます。
一方で、日本国民が国内で運転免許を取得する際には、膨大な時間をかけた座学、厳格な学科試験、厳しい実技試験を順にクリアしなければなりません。わずかなミスも許されない中、仮免許制度や本免許試験を経て、ようやく運転免許を取得できる仕組みが徹底されております。このように、日本国民には極めて厳格な審査が課されているにもかかわらず、外国人に対しては著しく緩い運用と融通が認められているという現実は、明らかに不平等なものであり、決して看過できるものではありません。
さらに、免許取得後の3か月以上の滞在実績についても、実態確認が甘く、一時帰国証明書や滞在証明書を、ホテルや簡易宿泊施設などに依頼して発行してもらうことで、実際には滞在していなかった者であっても、形式的に条件を満たしているかのように装うことが可能となっております。管理の甘い宿泊施設に頼めば、3か月未満の滞在であっても「滞在証明」が得られるという抜け穴が放置されており、このことがさらに制度の信頼性を根底から損なう要因となってます。
その結果、外国免許切替者による交通事故は増加の一途をたどっております。警察庁によれば、令和4年(2022年)度における外国人運転者による交通事故件数は3,182件に達し、そのうち外国免許切替者による事故は430件を数えております。これらの中には死亡事故や重大な負傷事故も含まれており、単なる統計数字ではない、命に直結する深刻な現実であります。
首都高速道路においては、外国人ドライバーによる危険運転が常態化しており、法定速度を大幅に超える暴走、無謀な車線変更、さらには高速道路上でのドリフト行為に至るまで、秩序あるべき交通社会が無法地帯と化している深刻な事態を迎えております。これらの行為は、テレビや報道機関によって幾度となく報じられ、国民の間に大きな不安と怒りを呼び起こしてます。
さらに、こうした暴走行為を自ら撮影し、インターネット上で拡散する外国人ドライバーも後を絶たず、日本は取り締まりが甘い国だとの誤った情報が世界中に広がり、さらなる模倣者を生み出す悪循環を引き起こしております。
なぜ、このようなザル制度と抜け穴が生まれたのか。その背景には、過度な国際協調志向と外国人受け入れ促進政策がございます。利便性を過剰に重視するあまり、安全保障や国内秩序維持の視点が軽視されてきた結果、国民の安全よりも国際化の名目が優先される歪な現実が作り出されてきたのです。
この現状を是正するためには、外国免許切替制度に対し安全保障上の視点を取り戻し、日本国内で運転を希望する外国人にも、日本国民と同等以上の運転技能・交通規律理解を義務付けるべきであります。例外措置を原則廃止し、日本語による道路標識の理解確認を必須とし、十分な理解が確認できない者には免許を交付しない厳格な運用が求められます。また、3か月以上の滞在実績についても、単なる書類審査ではなく、出入国記録や滞在先確認を通じて実態を徹底的に精査する体制を確立しなければなりません。
国民皆様もまた、この問題を座視することなく、立法措置を後押ししていく努力が求められております。さらに、マスメディアやインターネットを通じて世論を喚起し、社会全体に問題意識を浸透させることが不可欠です。
事故が起きてからでは遅いのであります。失われた命は二度と戻らず、その痛みと犠牲は計り知れないものであります。国民の生命と交通秩序を守るため、未来の日本を守り抜くために、今こそ一人ひとりが強い覚悟を持って行動しなければなりません。
この問題は、単なる個別の事例ではなく、制度そのものに潜む欠陥であり、国民の生命と秩序を根底から脅かすものであります。高齢者ドライバー問題だけではなく、このような危機もまた存在していることを知り、社会全体で共有し、変えて行かなければなければなりません。
面白おかしく事故映像を消費する風潮に流されることなく、なぜこのような危機が放置され続けてきたのか、その本質に冷静な目を向け、抜本的な改革を求める声を上げることこそが、今の我々日本人に足りないものであり、課せられた責務であります。
未来の日本を守るために、真の問題を見極め、正しい行動を取る覚悟を、今こそ一人ひとりが持たなければなりません。